あの後、樹はただ泣いて謝る私にお手上げ状態になったらしく、『ごめん、困らせてるのはわかってるけど……また連絡させて』と力なく言って電話を切った。
しかし、あれから一週間以上経つ今もまだ電話は来ていない。きっとなにを話せばいいかわからないのだろう。
ずっと気持ちが浮かないまま迎えた五月の最終日、早めに仕事を切り上げた私は、眩しい夕日に目を細めて心の赴くままに電車に乗っていた。
マンションとは違う方面へ向かうそれに揺られながら、心の中で〝やっぱりダメだったなぁ……〟と呟く。
今日は、例のコンテストの審査結果の発表日。お昼休みにひとりでネットを見て、私の名前がないことを確認した。
予想はしていたけれど、複数ある特別賞にもかすらなかった。そんなのわかっていたし、参加できただけで満足だと思っていたのに、ものすごく落胆している自分がいる。
受賞する可能性はゼロではなかったから、心のどこかでそれを期待してしまっていたのだろう。自己満だけれど、自信が持てる作品だったからというのもある。本当におめでたい。
職場の皆には『落ちましたよ! 受かるわけないじゃないですか~』と明るく茶化しておいたが、正直結構落ち込んでいる。



