アラフォーバツイチ、花ざかり。

 声を抑えて、もう一度確認してみる。

「他社にするというわけではなくて、家を建てるお話自体がなくなってしまったんですか?」

《ええ……。私たち、本当はこの間ここへ来た時からあまり関係がよくなかったんです。それでも結婚に向けて動いてはいたので、自分たちをごまかしながら続けていたんですけど、そんなのうまくいくわけないですよね》

 重く沈んだような声で語られる意外な内容を聞き、私も自然に眉をひそめていた。

 来店された時のふたりは、仲が良さそうに見えたのに。

《一旦結婚の話は置いておいて、少し冷静になろうって彼と話し合って決めました。……内海さんとも会ったあの日、透也と再会したのがきっかけで考えが変わったんです》

 透也の名前が出され、どくっと心臓が脈打った。

 仕事とは直接関係ないけれど、聞かずにはいられない。あの時なにがあったのかを。

「透……網坂さんとは、どんなお話を?」

《話はほとんどしていません。ただ……透也のことがまだ忘れられなくて、誰より愛しい存在だって気づいてしまったんです。彼も、同じ気持ちだと言ってくれて》