アラフォーバツイチ、花ざかり。

 透也は少し怪訝そうにしつつも了承し、ふたりでマンションのほうに向かって歩き出した。

 なるべく普通の態度でたわいない話をしながらも、頭の中は透也と藍奈さんのことばかりがぐるぐる巡っている。

 これまでは、元奥様は過去の人だと思っていたから、その存在に強く嫉妬することはなかった。でもああやって実際に見てしまうと、嫌な黒い感情がむくむくと育つのがわかる。

 元結婚相手というのは、いい意味でも悪い意味でも本当に特別だなと、つくづく実感した。



 もやもやしたものが晴れないまま日が過ぎて、あっという間に五月も半ばを過ぎた。仕事は順調だけれど、私自身の調子はいまいちだ。

 もうすぐ誕生日だからと、自分へのプレゼントで少しお高めのデパコスを買ったけれど、気分が上がったのは一瞬だった。

 美容院へ行ったら予想以上に白髪が多くなっていてショックを受けたし、久々にサロンでネイルをしてもらったのに不注意でヒビが入ってしまったし。

 気分が浮かないせいで、最近いいことがないなと思ってしまう。そしてまた落ち込む……という負のループにハマっていることに気づいているけれど、抜け出す手段が見つからない。