アラフォーバツイチ、花ざかり。

 まあ、恋する気のない相手に惹かれても不毛なのだけれど。

 顔を覆って悶えていた私は、透也の問題を思い出して今度は大きなため息をつく。その一部始終を見ていたらしい小須田さんが、「うっちー、休み明けなのにお疲れ? 大丈夫?」と気遣ってくれた。優しい。

 ときめいてわくわくしたり、現実に戻って落ち込んだり、感情がカオスで疲れるのは確かだ。ひとりであれこれ考えていないで、大事なのはジャケットを返すことなんだからとにかく連絡しよう。

 無難に【今夜、少し会える? ジャケット返したくて】と送ると、しばらくしてOKの返事が返ってきた。

 会えることになっただけで少し胸が弾む。その後どうするかは流れに任せようと決め、再びお弁当を食べ始めた。



 午後六時半になる頃、私はクリーニングから戻ってきたジャケットと、お土産のラスクを入れた紙袋を手に駅の構内を歩いていた。ここのコーヒーショップの前で待ち合わせているのだが、透也はもういるだろうか。

 帰宅ラッシュで混み合う中、彼の姿を探しながらショップのそばにやってくると、それらしきカジュアルスーツ姿の男性を発見し、自然に頬が緩む。