ゴールデンウィーク明けの水曜日、休憩時間に入った私は、冷凍食品に頼りまくった手作り弁当を食べながらスマホを眺めている。
今日の仕事終わりにクリーニングに出していたジャケットを取りに行く予定だ。そうしたらすぐに返すつもりなのだが、今夜透也は都合いいだろうか。
昨日まで実家にいたので、お礼のひとつとして実家近くのパン屋で人気のラスクを買ってきたけれど、正直食事にも誘いたい。ジャケットのお礼という口実で自然に一緒にいられるチャンスだもの。
となると、確実に食事できるように改めて日にちを決めたほうがいい? でも、ずっと借りっぱなしなのは申し訳ないし……早く会いたいし……。
箸を止めて悶々と悩んでいた私は、自分の欲たっぷりな考えになっていることにはたと気づく。急に恥ずかしくなり、デスクに肘をついて両手で顔を覆った。
早く会いたいって。完全に恋しているじゃない。休み中、ちょっと放置していた白髪が急に気になって慌てて美容院の予約を入れたし、エステも行こうかなとか思い始めたし……。
四十歳目前にしてこんなふうに浮き立つなんて思ってもみなかった。誰かを好きになる気持ちというのは、何歳になっても止められないものなのだ。



