アラフォーバツイチ、花ざかり。

 依田さんの表情が徐々に力強くなっていき、直感的にまずいなと思った。

 〝真琴の元旦那はダメ男〟という先入観もあったが、実際に会ってみてもどことなく精神年齢が若いように感じていた。しかし話してみると、思いのほか自分の意思をしっかり持っているとわかる。

 おそらく、離婚を経験したことで彼も成長したのだろう。そんな彼が真琴に迫り続けたら、彼女の気持ちが動く可能性は否定できない。

 一度愛し合った人というのはやはり特別だ。俺自身はなにがあっても揺らがないと断言できるが、彼女がどうかはまったく予想がつかない。

 だからけん制しておく。そもそも、真琴がこの男に何度も愛されたのだと思うと、やり場のない不快さでいっぱいになるのだ。嫉妬も含めて、厳しい眼差しを彼に突き刺す。

「一度失くした信頼は、ちょっとやそっとじゃ取り戻せませんよ。真琴から聞いた限りですが、依田さんの行いに対して彼女は何度か温情を与えているにもかかわらず、あなたはそれを無にしたそうですね。そんなあなたに、まだチャンスがあると?」
「網坂さんってドS……」