オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

夜になって、お風呂を済ませると、リビングでアイスを食べながらテレビを見た。

そのとき、私の隣に腰を下ろしたお母さん。

寄り添うように座るお母さんに、珍しいなと思って視線を向ける。

お母さんは、少し考えるようにしてから、心配そうに口を開いた。

「明日、学校行けそう?」
その問いを、私は不思議に思う。

「うん」

——なんで、そんなことを聞くんだろう。

アイスを食べながら、当然のように頷いた私に、お母さんは眉を下げて私を抱き寄せた。

その温かさが不思議で、私は何も言わず体を寄せることしかできなかった。

部屋に戻ると、机の上に置いてあった絵日記を開く。

寝る前に描く絵日記は、小さい頃から続けている日課だ。

——今日は、宿題の一日だったな。

描く構図を考えながら、前日のページを探してパラパラとめくる。

開いたイラストに、私は首を傾げた。

校舎の窓の向こうに広がる、静かな水平線。
視聴覚室から見える海の景色だ。

その窓辺には、制服姿の私と——もう一人、男の子の後ろ姿が描かれていた。

「……え?」
思わず、ページを顔の近くまで引き寄せる。

知らない絵じゃない。
見慣れた絵のタッチは、確かに私が描いたものだった。

でも——
「……夏休みなのに。これ、昨日?」

ドクンと嫌な音がして、私は勢いよくページをめくる。

一日前。
二日前。
三日前。
そこには、海や町の景色の絵が続いていた。

けれど——日付と、描かれている出来事が、どこかちぐはぐだった。

夏休み前の出来事のはずの、潮干狩りのイラスト。
ここ数日の間に台風が来た記憶もないのに、荒れた海の絵。

そして——
夏祭りのイラストが、一ページ、二ページ、三ページと続いている。

まるで、同じ日を何度も繰り返したみたいに。

ページをめくるたび、胸の奥がひやりと冷えていく。