オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

瞼が重たくて、なかなか開かなかった。
目をこすりながら、ゆっくり体を起こす。

なんとなく開いたスマホに表示されている日付は、8月31日だった。

夏休み最終日だというのに、机の上には、まだ終わっていない宿題が山のように残っていて唖然とする。

「……うわ」
こんなに残してたっけ?と、昨日までの自分を疑う声が漏れた。

ため息をついて、私は真面目に机に向かう。

計算問題を解いて、プリントを埋めて、作文を書いて。
気がつけば、外はすっかり暗くなっていた。

最後のページを書き終えると、大きく息を吐く。

「終わった……」

明日から学校。

久しぶりに制服をクローゼットから出して、カバンの中身を整える。

準備が整った部屋を見つめて、私はベッドを背にカーペットの上へ座った。

転校して初めての夏休み。

特別な予定があったわけでもなく、誰かと遊んだ記憶も、あまりない。

……まぁ、そんなものだよね。

ひとりでいることが当たり前になっている私にとって、ほんの少し浮かぶ寂しいという感情はいらないものだった。