オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

「翼を助けたいんです……!」

声も感情も、ぐちゃぐちゃだった。

「もっと一緒にいたいのに、私……っ、思い出も、気持ちも、どんどん消えていって……」

何も知らないはずのお姉さんに、取り止めのないことを言って泣き叫ぶ。

「怖くて……どうしたらいいか、わかんなくて……」

うまく言葉にならなくて、喉を詰まらせた私の頭に、しゃがんでいたお姉さんが、そっと手を置いた。

その手は驚くほど細く、骨ばった指先が軽く髪に触れるのを確かに感じる。

「……あなたも、オルゴールの力を借りたのね」

小さく落とされたその言葉に、私ははっと顔を上げた。

「あなた“も”……?」

お姉さんは、夕焼けの光の中で微笑んでいた。

そして、少しだけ空を見上げて、それからくるりと背を向ける。

「……じゃあ、少しだけ昔話」

そう言って、防波堤に手をかけた彼女は、トンと軽そうな音で上に上がった。

追うように、私が隣に座るのを確認して、お姉さんは小さく息を吐く。

「オルゴールを回して、過去に戻ったの」

海を見つめたまま、お姉さんは静かに話し始めた。