オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

気がつくと、私は自分の部屋の机で眠っていた。

手元には、開いたままの絵日記。
ページには、台風の日のイラストが描かれている。

食卓を囲む五人の姿。
父と母、翼と翼のお父さん、そして私。

あれ……?
翼たちは、なんで……来てくれたんだっけ。

私は今、この日に戻っていたはずだった。

それなのに、どうしてか曖昧な記憶に、少し霞んで見えるイラストをそっと撫でた。

あぁ、台風だったからだ。

引っ越してきたばかりの私たちを心配して、翼たちが様子を見に来てくれた。

そこまで思い出すと、記憶はちゃんと繋がる。
でも、胸の奥には妙な違和感が残ったままだった。

数ページ先をめくって、四人の人影が描かれた教室のイラストで手が止まる。

翼と……。
あと、誰と一緒にいたんだっけ。

不穏に揺れる心に、思わず一度ぎゅっと目を閉じた。

目を開けて、もう一度そのイラストを見たとき、その二人が美咲と健太であることは当然のようにわかる。

忘れるはずなんてない。
転校してからずっと、一緒にいてくれた大切な友達なのに。

ぽっかり抜け落ちていたみたいな感覚に、胸がざわつく。

……なんか、おかしい。

確かな違和感を感じながらも、私はいつも通り鉛筆を取った。