オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

目を覚ました瞬間、胸の奥に残っている感覚を逃がさないようにぎゅっと抱きしめた。

翼のお父さんと話をした。

確かにその現実を思い出し、私はすぐに枕元のスマホへ手を伸ばす。

2026.6.4

——うまくいった。

これまでとは違う、夏祭りの日とは違う日付に、私は胸を撫で下ろした。

絵日記を確認すると、最新のページは6月3日だった。

ショッピングモールで、三人並んで歩くイラストがあり、私はその日を思い出す。

部屋を見渡せば、ドアの近くに壁に寄せるように置かれているビニール袋が目に入った。

透けた袋からは、黄色いプラスチックのバケツと小さな熊手が覗いている。

6月3日は、潮干狩りの前日。
何も持っていない私のために、みんなが買い物に付き合ってくれたんだ。

……あれ。

視線を戻すと、また絵日記の色が淡く見えた。

疲れてるんだよね、きっと。
私は目をこすり、もう一度ページを見る。

さっきと変わらない絵が、そこにはあり、私はゆっくりと絵日記を閉じた。