オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

ゆっくりと起き上がり、ひくりと震える喉を抑える。

現実へ戻っても、ポロポロと溢れ続ける涙は、止まるどころか、次から次へと流れ続けていた。

「どうしよう。どうしたら良かったの……」

答えの分からない問いが、頭の中をぐるぐると回る。

苦しくて、胸が引き裂かれそうで、じっとしていられない。

半ば衝動のまま、私は立ち上がって絵日記を手に取った。

乱暴にページをめくる。
ぱら、ぱら、と紙の擦れる音だけが部屋に響き、私はぎゅっと唇を噛み締めた。

どのページを開いても、そこにいる翼は明るい。

太陽のようだった翼は、心を閉ざしていた私に笑いかけてくれて、私の居場所を作ってくれた。

それなのに——。

「私、最低だ」

なにひとつ、気づけなかった。

絵日記の絵が滲み、絵に描いた翼の笑顔が、ぼんやりと霞んでいく。

劣化して、色が淡くなったような変化に、一瞬驚いたけれど、涙の滲みがそうさせるのだと、私は目を擦った。

もう一度ページを見つめれば、そこには変わらず笑う翼がいる。

けれどその輪郭が、描いたときよりも確実に薄くなっていることに、私はまだ気づいてなかった。