オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

私は、呼吸を思い出すように大きく息を吐き出した。

不思議と状況の理解が早く、荒かった呼吸がゆっくりと落ち着いていく。

私の感覚が間違っていなければ、今日は——。

2026.08.24

スマホの画面を見て、私は小さく息を吐いた。

やっぱり、一日進んでいる。

枕元に、ゼンマイのゆるんだオルゴールが転がっていることを確認し、私はぎゅっと唇を噛み締めた。

……夢、じゃない。
あれはきっと、確かにこの身に起きたこと。

このオルゴールは、夜、眠っている間だけ、私を過去に連れていく。

説明はできないけれど、確かな感覚を胸に、ベッドから降りて、絵日記を手に取った。

過去の世界で確認した絵日記にはなかった、真っ黒に塗りつぶされた数日前のページが目に刺さる。

迎えに行くと決めて、場所も変えて、必死に動いても。
それでも、翼は、防波堤にいた。

「……どうして……」
じわじわと悔しさが込み上げて、涙が頬を伝う。

けれど同時に、終わらせたくないと、ちいさな熱が灯った。

ちゃんと考えよう。
きっと、別の方法があるはず。

オルゴールをことりと、机の上に置く。

私は深呼吸をして椅子に座り、静かに目を閉じた。

三度経験したあの日のことを、最初から辿り直す。

——そして、今日の夜に、もう一度。