オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

翼が手を振る姿を見つめながら、前回の記憶を思い返す。

——駅前で待っていたけれど、翼は来なくて。
その間に、防波堤で事故に遭っていた。

防波堤から遠い場所に集合場所を指定しても、結局……同じ。

思考が絡まりそうになるのを必死でつなぎ合わせる。

つまり、きっと、翼にはどうしても防波堤へ行く理由があるんだ。

だったら……そこまで一緒に行ったら?

近くにいたら、私が止められるかもしれない。

私はきゅっと唇を噛み締めて、もう一度窓の外に目を向けた。

小学生を追いかけるように背を向けた翼に向かって、私は声を張る。

「翼! 今日のお祭り一緒に行こう!」

自分から、こんなにもはっきりとした声が出るなんて、びっくりだった。

だけど、翼を助けたい。
それだけが原動力となって、背中を押す。

一瞬の静けさの後、翼は目を丸くした。

「いいよ! じゃあ、迎えに行くよ」

軽く笑って言う彼に、胸がずきんと嫌な音を立てる。

……待つのは、もう嫌だ。
あの時みたいに、知らない間にいなくなってしまうのは、もう耐えられない。

込み上げた不安に押されるように、思わず声がこぼれる。

「——私が行くから!」
翼は、もう一度目を丸くし、力を抜いて笑う。

「……わかった。じゃあ、待ってる」
照れたように視線をそらす、見慣れないその表情は、とくんと私の心にあたたかな光を灯す。

夢かどうかなんて、もうどうでもいい。

——絶対に、最後になんてしない。