オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

駅前のアーケードには、人の波が絶え間なく流れていた。

どこを見ても楽しそうな顔ばかりの駅前で、私はひとり、表情を固くして彼の姿を探していた。

動きやすいストラップ付きのサンダルに、髪はただ結んだだけのポニーテール。

——本当の、夏祭りの日は。

明るいうちからそわそわして、鏡の前で慣れないヘアメイクも頑張って、少しでも可愛く見えたらいいなあなんて、浮かれていた。

今の、動きやすさを重視した身なりに、身が引き締まる。

大丈夫。今日はここで待ち合わせなんだから……。

落ち着かない胸の奥で、何度も言い聞かせる。
けれど——時間が過ぎても翼は現れなかった。

通り過ぎる人波が途切れるたび、スマホの画面を確かめる。
着信も通知もなく、不安でこちらから電話をかけても、コール音が続くばかりで、翼の声は聞けなかった。

——どうして……?

時間はすでに約束の時刻を少し過ぎていた。

浴衣姿の人たちがアーケードを通り抜け、みんな神社の方向へ吸い込まれていく。

そのたびに、私の胸の奥はじんわりと冷えていった。