オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

翼のお葬式が終わって、3日がたった。
両親や町の様子は、あっという間に日常を取り戻している。

取り残されている感覚に怯えながらも、私は部屋から出られない毎日が続いていた。

——今日も終わっちゃうなあ。

ベッドに転がったまま、カーテン越しに差し込む夕日の色をぼんやりと眺める。

あの日以降閉ざされたままの絵日記は、日付を進めることなく、真っ白なページが重なっていた。

翼のことは、考えないようにしている。

思い出したら、どうしようもない苦しみで、押しつぶされそうになってしまうから。

それでも、自然と浮かんでくる翼の声や笑顔には抗えない。
突然、思い出したかのように苦しくなる気持ちに、もう私自身が疲れ果ててしまっていた。

——コンコン。

優しくノックされた音に、起き上がって扉を見つめた。

控えめに開けられたドアの向こうには、私を気遣うお母さんの姿があった。

「汐莉、ちょっとおつかいお願いできる?」

お母さんの手にあったのは、地域を回る回覧板。
平均年齢が高く、地域のつながりが強いこの町では、今も紙の回覧板が当たり前みたいに回っている。

「……分かった」

そう答えて、私は久しぶりに家の外へ足を踏み出した。