夏休みの匂いが近づく七月のおわり。
すっかり慣れた休み時間の教室では、美咲と健太の笑い声が明るく弾んでいた。
「ねえ見て!これ昨日見返してたんだ」
美咲が取り出したスマホを、健太が横から覗き込む。
「去年の夏祭りじゃん。あはは!美咲ひでー顔!」
大げさに笑う健太に、美咲も「ちょっと!」と肩を叩きながら笑った。
「健太の方がひどいでしょ、ちゃんと見てよ」
美咲が画面を操作して、健太の顔をズームする。
真顔でごまかそうとしていた健太も、数秒ともたずに吹き出した。
楽しそうな空間に自分が入り込むのはどうしても苦手で、私は遠慮がちにタイミングを合わせて笑っていた。
その様子に気づいたのか、美咲がくるりとスマホをこちらに向ける。
「ほら、汐莉も見てよ」
画面に映っていたのは、美咲を真ん中に健太と翼が並んで写る一枚。
三人とも浴衣姿でとても絵になる見た目をしているのに、なぜか思いきり変顔をしている。
それでも、夏の色がぎゅっと詰まった、まぶしい写真だった。
「今度は、汐莉も一緒に撮ろう」
私は、少しだけ目を丸くしてから、曖昧に笑ってうなずいた。
まだ、彼女たちの輪に入れてもらっているだけという感覚は消えない。
どうせ今だけの友達。
なんてそんな考え方も、簡単には直らない。
それでも、三人と過ごす時間の中には、気を張りつめなくてもいい時間が、確実に増え始めていた。
すっかり慣れた休み時間の教室では、美咲と健太の笑い声が明るく弾んでいた。
「ねえ見て!これ昨日見返してたんだ」
美咲が取り出したスマホを、健太が横から覗き込む。
「去年の夏祭りじゃん。あはは!美咲ひでー顔!」
大げさに笑う健太に、美咲も「ちょっと!」と肩を叩きながら笑った。
「健太の方がひどいでしょ、ちゃんと見てよ」
美咲が画面を操作して、健太の顔をズームする。
真顔でごまかそうとしていた健太も、数秒ともたずに吹き出した。
楽しそうな空間に自分が入り込むのはどうしても苦手で、私は遠慮がちにタイミングを合わせて笑っていた。
その様子に気づいたのか、美咲がくるりとスマホをこちらに向ける。
「ほら、汐莉も見てよ」
画面に映っていたのは、美咲を真ん中に健太と翼が並んで写る一枚。
三人とも浴衣姿でとても絵になる見た目をしているのに、なぜか思いきり変顔をしている。
それでも、夏の色がぎゅっと詰まった、まぶしい写真だった。
「今度は、汐莉も一緒に撮ろう」
私は、少しだけ目を丸くしてから、曖昧に笑ってうなずいた。
まだ、彼女たちの輪に入れてもらっているだけという感覚は消えない。
どうせ今だけの友達。
なんてそんな考え方も、簡単には直らない。
それでも、三人と過ごす時間の中には、気を張りつめなくてもいい時間が、確実に増え始めていた。



