オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ

「翼!いつの間に転校生ちゃんと仲良くなってんだよ!」

迷っていた私よりも先に声を上げたのは、ホームルーム中、翼の後ろの席で親しそうに話していた男の子だった。

短く刈った髪に、日に焼けた肌。
がっしりした体つきで、太陽みたいな笑顔を浮かべている。

その明るさに、集まっていた視線も弱まったように感じた。

「昨日の放課後ちょっとな」
翼がさらりと返すと、その男の子は目を丸くした。

「は?なんだよそれ!汐莉ちゃん、俺とも仲良くしてよ!俺、健太!」
ぐいっと差し出された手のひらに戸惑いながら、私はとっさに小さく会釈を返す。

その様子を見ていた、初日に教科書の位置を教えてくれた隣の席の女の子が、くすっと笑った。

色素の薄いセミロングの髪に丸い目。
どこか落ち着いた雰囲気をまとっている綺麗な女の子。

「健太、引かれてるじゃん〜。私は美咲。汐莉ちゃん、改めてだけど私もよろしくね〜」
「えっ、引いてないよな?な!?」

親しそうに笑いながら言い合う二人を、私はぽかんと眺めていた。