5分だけの両思い

私がきょとんとした顔をしていたからか、七咲先輩は近くの壁に手をつき、腕の中に私を閉じ込めた。


「…七咲先輩っ…?」

七咲先輩の方が身長が高いから、必然的に私は上目遣いになる。


「…あ〜もう。そんな顔、俺以外にするな」


耳もとで甘くささやかれた七咲先輩の声。

―どきんっ

心臓が大きく跳ね上がる。


「俺はずっと、屋上で花音を見てた」


えっ―?
私の後ろの景色を見ていたんじゃないの…?


「これからは溺愛するから…覚悟しろ、花音」


ニヤリと笑った七咲先輩。

…そんな顔反則だよ…!本気で心臓が保たない。

でも、負けるのも悔しいし、私もやり返すことにした。

「私のほうが愛は重いので…覚悟するのは先輩のほうです。」

同じようにニヤリと笑う。


「…っ。花音…その顔は俺用にしてくれ…っ」