明坂高校生徒会はこんなもんやで!

 ……気にしたら負けか?
いや、気にしないのは良くないよな……
今後は気をつけよ……

宮浦はそんなことを考えながら眠りについた。
――次の日、宮浦はクラスの仕事のために登校していた。

(結局、あんま寝れんかった……1時間前から来ても意味ないのは分かってるけどさ……家におっても暇すぎるだけやしな)

宮浦は独り言として漏らしそうになりながら、教室の扉を開けた。

(宮浦)「あっ、おはよう」
(松原)「おはようございます」

誰も居ないと思っていた教室には、松原の姿があった。

(宮浦)「早いな」
(松原)「作業量が多いって言ってましたし、田中先生に呼び出されてたので」

そう言った松原の机には、まだ何も用意されていなかった。

(宮浦)「そうなんや。…………これ沖縄のお土産」
(松原)「えっ……?良いんですか?」
(宮浦)「うん、生徒会メンバー全員に渡してるし」
(松原)「ありがとうございます。……開けてもいいですか?」

宮浦は無言で頷く。

(松原)「……これは、『海が描いてあるしおり』と『ペン』ですか。……使えやすそう、ですね」

(反応薄いような……?いや、気にしすぎか………………2人きりで渡せるならもっとちゃんと選べば良かった……)

(松原)「……ありがとうございます。大切に使わしていただきますね。それで、相談なんですけど――」
(宮浦)「あっ、うん」

(気にしすぎやな……)

宮浦は自分にそう言い聞かせ、松原の相談に乗った。

(松原)「――という認識で合ってますよね?」
(宮浦)「うん、俺もそのつもりでおるで」
(松原)「……そういえば、沖縄の海は綺麗でした?」
(宮浦)「え?あ、うん、めっちゃ綺麗やったで」
(松原)「そうなんですね。……私も、行ってみたいです」

(一緒に行きたいな……)

(……うん?)

(何考えてんねん自分)

(顔熱なってきた)

(…………とりあえず、文芸部に行こ)

(宮浦)「お手洗い行ってくるわ」
(松原)「あっ、はい」

そう言い、宮浦は文芸部用のお土産を持ち、部室へ向かった。

(岡本)「颯真久しぶり〜」
(森田)「久しぶり〜」
(松永)「どうしたん?」
(宮浦)「久しぶり。沖縄のお土産渡そうと思って……今、他の人居らんよね?」
(岡本)「うん、この3人だけやで」

誰も居ないことを確認した宮浦は、3人にお土産を渡していった。

(宮浦)「じゃあ俺はこれで」
(岡本)「ばいばーい」
(森田)「また後で〜」

その頃、松原は――

トーク画面を開いて、固まっていた。

(休みの連絡入れたいけど……なんだか、生徒会グループには送りづらい……)

生徒会グループに打ち込んでいた文字を、消す。

(でも無断欠席は良くないし……)

代わりに開いたのは――

『真辺先輩』


…………変に思われたくないし。
言及されなかったから良かったけど、もしされてたら……
なんて答えれば良かったんだろう……

松原は、机上の袋に視線を落とした。

……海。
……綺麗だなぁ。

松原はおもむろにペンを持ち上げる。

軽い…………書きやすい……

――そういうとこ、ずるいなぁ。

廊下から足音が近づいてきた。
そして扉が、ガラッと開く。

(宮浦)「ごめん。意外と長引いてもうたわ」
(松原)「全然大丈夫ですよ」

宮浦は軽く手を合わせて謝ると、そのまま自分の席に座った。

……気にしすぎよな。

そう思ったのに、胸のざわめきは消えなかった。