明坂高校生徒会はこんなもんやで!

――俺は頑張れない
入学後そう思っていた。
しかし、彼女は違った。
来る日も来る日もひたすら、勉強していた。
誰も居ない教室で。
それを見て思った。
「なんで頑張れるんだ?」
そんな、なんともないように見える疑問でも、俺には重く感じた。
すると、体が先に動いていた。本能で相談したかったのだろう。
はたから見れば、ただただ変な行動だ。
しかし、その時の俺はそんなことは考えれなかった。

(宮浦)「勉強してるとこ突然ごめん……俺は1年2組の宮浦颯真。いつも前通る時に、1人で勉強してるからさ……」

ここで俺は言葉を詰まらせた。思考が体に追いついてきて「何やってんだ」と指令を出したのかもしれない。もしかすると体が聞くことを拒否したのかもしれない。
しかし、突然のことで彼女も反応できず、少しの沈黙を経て、ようやく言葉を捻り出すことが出来た。

(宮浦)「……なんで毎日勉強出来……るん?」

自信なさげに言った。恥ずかしいのだろう。
正直、答えは返ってこないと思っていた。そらそうだ。突然教室に入ってきたと思えば、「1人で勉強している哀れな人」という誤解を招きかねない文の切り方をしているのだから。
――そんな風に後悔し始めた瞬間

(松原)「なんで……ちゃんと答えれないけど、まぁ逃げる自分が嫌だからですかね」

そこで俺は我に返った。
そうだ、自分は逃げたくなかった。
たがら、模試で最低評価という現実を突き付けられた後、抵抗を堪えて親に協力をお願いしたのだ。
どうしても嫌で、小学生の頃逃げて後悔したのは、紛れもない自分だ。
そして、今その小学生の自分に逆戻りしつつある。
なんならしている。
この先後悔するのは絶対に自分だ。
そんな決意と、頑張れる原動力を作ってくれた彼女には今でも感謝している。
「つむぎに告白出来ないのも逃げだ」
そんな言葉が、自分の心に重くのしかかる。告白が成功しようがしまいが、勉強と同じように後悔するのは自分だ。
しかし、うまく勉強とうまく連動できない。
どうすれば……どうすれば……

(岡本)「これやから、ラブコメ純愛派はよ〜」
(宮浦)「へ?」
(岡本)「颯真って本編でも二次創作とかでも、ヒロインは主人公としか繋がること以外は認めれんタイプやろ」
(宮浦)「いやまぁ、確かにあんまり良くは思えんけども……というか、なんでそんな推理になった?」
(岡本)「いや、なんか俯瞰したいタイプかなって思って……そうなったら、颯真の性格的に……純愛かなって」
(宮浦)「いや曖昧!」

そんなツッコミにその場にいた文芸部員の3人が笑った。
そんなこんなで部室に着いた宮浦は、時間が迫っていることもあり、そそくさと生徒会室へと戻っていった。

――一方生徒会室では
入れ違いで来た真辺と松原が、それぞれの仕事の準備をしていた。
田辺は……まだ来ていない。
おそらく時間ギリギリか遅れてくるだろう。

(真辺)「颯真って文芸部やったっけ?」
(松原)「そんな話聞いたことないのでただの手伝いじゃないですかね?」
(真辺)「あーまぁそれやったらただの手伝いかもしれんね。颯真って頼まれると断りきれんよね」
(松原)「確かにですね。正直、体調崩さないのが不思議なくらい仕事引き受けますからね」
(真辺)「性格上そうなんかもしれんけど、やっぱり心配よな」
(松原)「(流石にあの時からの性格な訳ないよね)」
(真辺)「何か言った?」
(松原)「いえ、何準備しとこうかなって言っただけです」

そうぽつりと言った松原であったが、少し声が大きかったようで、宮浦本人が知られたくないと思い、すぐさま適当な言い訳をついた。

(真辺)「……にしても田辺遅いな」
(松原)「いつも通りギリギリに来るんじゃないですか(笑)どうせ田中先生も遅いでしょうし」
(真辺)「確かに田辺のことやからそうやろね(笑)田中先生が遅いのはよう分からんけど(笑)」
――職員室――
(田中先生)「ぶえくしょん!あー、帰ろかな」
――生徒会室――
(宮浦)「すみません。遅くなって」
(真辺)「全然丁度やで」
(宮浦)「あっホンマや」
(真辺)「そういえば、颯真って文芸部やったっけ?」
(宮浦)「いや、たまたま生徒会室で印刷してる時に来て、手伝って欲しいって言われて手伝っただけっす」
(真辺)「やっぱり。そういや何時に来たん?結構話してたって言ってたけど」
(宮浦)「大体……9時前です」
(真辺)「やっぱ早いな」
(宮浦)「まぁ癖ついてるだけっすけどね(笑)」
(真辺)「それでもすごいと思うけどな〜私なんかギリギリのバス乗ったで」
(宮浦)「ギリギリでもいいんですけど何かあった時に怖いじゃないっすか」
(真辺)「まぁ確かに」
(松原)「寝不足にならないですか?」
(宮浦)「親にもおんなじこと言われてる(笑)まあ、適応しちゃったから今更って感じかな」
(松原)「それは適応しちゃダメな気がしますけどね」
(宮浦)「……というか優斗と田中先生遅ない?」
(松原)「もう9時40分くらいですもんね」

すると勢いよく扉が開いた。

(田辺)「ギリギリセーフですよね?」
(真辺)「いやアウトや」
(田辺)「すみません……部活で遅れました」
(宮浦)「部活か、ならしゃぁないな」
(真辺)「というか、こんな短時間で何してたん?なんもできんのちゃう?」
(田辺)「30分あったら十分じゃないですか?」
(宮浦)「30分やったらアップだけで終わるやろ……せいぜいボレー練ぐらいは出来るかもしれんけど」
(田辺)「自分はアップもれっきとした運動やと思ってるんで」
「「「なるほ……ど?」」」
(宮浦)「というかこんなクソ暑い中よう10分ぐらいで着替えれたな」
(田辺)「流石に急ぎましたよ(笑)」
(宮浦)「あとは……田中先生だけか……」
(松原)「あの人も忙しいですからもうすぐしたら来るんじゃないですかね」
(宮浦)「まぁ、せやな」

――その頃職員室では
(田中先生)「ハンコですね了解しました――数学教えて欲しい?またあとででもいい?ごめん。生徒会行ってから教えるわ」

仕事に追われていた――