終業式を終えた生徒会は、体育館で後片付けをしていた。
椅子を戻し、ステージを片付け、最後に残るのはいつも生徒会だった。
(田辺)「ようやく夏休みですね」
(真辺)「せやな〜」
(宮浦)「まぁ、七月中はまだ仕事あるけどね」
そんな言葉に、田辺は分かりやすく肩を落とした。
それを見てか、宮浦は言葉を付け足す。
(宮浦)「仕事っていってもそこまで無いけどな」
(真辺)「私は最後の文化祭やから、準備も楽しく思えるけどね」
(松原)「私たちも残り一年半ですか――」
(宮浦)「高校の一年なんかあっという間やもんな」
そんな二人の言葉には、違う理由の焦りが混じっていた。
真辺はそんな焦りを知ってか知らずか、
(真辺)「焦る理由って、人それぞれやけどな」
(宮浦)「――急にどうしたんですか?」
(真辺)「いや、なんとなく」
真辺はそれ以上何も言わず、椅子を元の位置に戻した。
(田中先生)「皆、ありがとう。夏休みもよろしくな」
そんな言葉に体育館の空気が緩む中、宮浦は胸の奥に、妙な違和感を抱えていた。
生徒会メンバーと別れた宮浦は、いつもより足取りが重かった。
「なんで気付かれた――」
宮浦は、高校生活が残り一年半に迫る中で、
未だ松原に想いを伝えられていない。
その焦りを見抜かれた気がして、更に焦りが加速した。
「たまたまよな――」
偶然であったことを願うように宮浦は呟いた。
「もしかして顔に出てたか?」
元々、感情が顔に出やすい宮浦ではあったが、
中学、高校と学年を重ねるごとに、感情の出し入れをできるようになってきている。
「――あの人にバレると、本当にやばい」
胸の奥に残る違和感を振り払うように考えながら、宮浦は家に辿り着く。
ひと通り身の回りを片付けた後、机に腰を下ろし、夏休みの予定表に目を向けていた。
「とりあえず、宿題進めるか――急に予定入るかもしれんし」
びっしりと詰まった予定表を見つめながら、宮浦は余白を探すように、次の日にする予定だった宿題から手を付けていった。
しかし、そんなやる気に水を差すように、台所の方から夕飯ができたと呼ぶ声が飛んできた。
「キリのいいところで行くー」
宮浦はまだ夕飯が出来ていないことに気付いていた。
これは“もうすぐできる”の合図であって、実際にはまだ出来上がっていない。
――そう、お母さんあるあるだ。
宮浦は、変なところで勉強をやめてしまうのが大の苦手であった。
理由は――まあ、読者の想像に任せたい。
(母)「成績悪くなかったやん」
(宮浦)「まぁ、そうなんやけど、もうちょい取りたかった」
(母)「頑張りすぎんでええねんで、生徒会長もしてるんやし――というかその性格誰に似たんやろうな(笑)」
そんな母のテンションとは違い、宮浦は苦笑いをするのみだった。
夕飯を食べ終えた宮浦は、自室に戻り、机の上の課題に視線を向けたが、しばらく動けずにいた。
やがて小さく息を吐き、電気を消す。
「――今日は、もう寝よう」
夕飯前のやる気は出ないようで、そのまま眠りについた。
椅子を戻し、ステージを片付け、最後に残るのはいつも生徒会だった。
(田辺)「ようやく夏休みですね」
(真辺)「せやな〜」
(宮浦)「まぁ、七月中はまだ仕事あるけどね」
そんな言葉に、田辺は分かりやすく肩を落とした。
それを見てか、宮浦は言葉を付け足す。
(宮浦)「仕事っていってもそこまで無いけどな」
(真辺)「私は最後の文化祭やから、準備も楽しく思えるけどね」
(松原)「私たちも残り一年半ですか――」
(宮浦)「高校の一年なんかあっという間やもんな」
そんな二人の言葉には、違う理由の焦りが混じっていた。
真辺はそんな焦りを知ってか知らずか、
(真辺)「焦る理由って、人それぞれやけどな」
(宮浦)「――急にどうしたんですか?」
(真辺)「いや、なんとなく」
真辺はそれ以上何も言わず、椅子を元の位置に戻した。
(田中先生)「皆、ありがとう。夏休みもよろしくな」
そんな言葉に体育館の空気が緩む中、宮浦は胸の奥に、妙な違和感を抱えていた。
生徒会メンバーと別れた宮浦は、いつもより足取りが重かった。
「なんで気付かれた――」
宮浦は、高校生活が残り一年半に迫る中で、
未だ松原に想いを伝えられていない。
その焦りを見抜かれた気がして、更に焦りが加速した。
「たまたまよな――」
偶然であったことを願うように宮浦は呟いた。
「もしかして顔に出てたか?」
元々、感情が顔に出やすい宮浦ではあったが、
中学、高校と学年を重ねるごとに、感情の出し入れをできるようになってきている。
「――あの人にバレると、本当にやばい」
胸の奥に残る違和感を振り払うように考えながら、宮浦は家に辿り着く。
ひと通り身の回りを片付けた後、机に腰を下ろし、夏休みの予定表に目を向けていた。
「とりあえず、宿題進めるか――急に予定入るかもしれんし」
びっしりと詰まった予定表を見つめながら、宮浦は余白を探すように、次の日にする予定だった宿題から手を付けていった。
しかし、そんなやる気に水を差すように、台所の方から夕飯ができたと呼ぶ声が飛んできた。
「キリのいいところで行くー」
宮浦はまだ夕飯が出来ていないことに気付いていた。
これは“もうすぐできる”の合図であって、実際にはまだ出来上がっていない。
――そう、お母さんあるあるだ。
宮浦は、変なところで勉強をやめてしまうのが大の苦手であった。
理由は――まあ、読者の想像に任せたい。
(母)「成績悪くなかったやん」
(宮浦)「まぁ、そうなんやけど、もうちょい取りたかった」
(母)「頑張りすぎんでええねんで、生徒会長もしてるんやし――というかその性格誰に似たんやろうな(笑)」
そんな母のテンションとは違い、宮浦は苦笑いをするのみだった。
夕飯を食べ終えた宮浦は、自室に戻り、机の上の課題に視線を向けたが、しばらく動けずにいた。
やがて小さく息を吐き、電気を消す。
「――今日は、もう寝よう」
夕飯前のやる気は出ないようで、そのまま眠りについた。
