私にはまだ、あんまり人には言いたくない思い出があって、その中の一つが、私の右腿の後ろにある大きく目立つ傷。

まだ若いのにこんな傷があったらもったいないと思う。

セックスをする時、隠すのに必死な自分が居た。

でも、豊には最初の時に全てを話してた。

だって、豊はやれれば良いもんだと思ってたから。

だから私も気にしなかったんだ。

豊の前では・・・。





さかのぼる事約十年前。

私がまだ小学校三年生だった頃。

クラスでいじめがあった。

理由は未だに分からないけど、ターゲットは私だった。

いじめられていた期間は二年間。

無視されて、散々悪口言われて、色々なものを壊されたり、失くされたり。

小学生ながらみんな頭良かったみたいで、先生の前では絶対そんなの見せなかった。

私は負けず嫌いだったから、一度も弱音を吐かなかった。

一人では泣いてたけど、親の前では、有りもしない友達との会話や約束などを話して聞かせた。心配かけたくなかった・・・


そして、自分がいじめられていた事が恥ずかしかった。


隣のクラスの男の子の中に帰る方向が一緒の子が居て、その日私は傘を取られちゃったからずぶ濡れになりながら一人で通学路を歩いてたんだ。

すると、その子が後ろから走ってきて、風邪引いちゃうよなんて言いながら一緒に傘に入れてくれた。

それまではほとんど話した事がなかったのに、それをきっかけによく一緒に帰るようになった。

もちろん、その子は私がいじめられてるなんて知らないし、言ったら嫌われると思ってた。

そんな状況を面白がらない女子が私のクラスに何人か居て、ある日事件は起こった。