「私は都合のいい女になんかなる気ない」
「彼女だよ?そんな扱いするわけないでしょ」
「名前ばっかりの彼女でしょ」
「何でそんなこと言うの?俺のこと真面目に見つめてよ」
裏切られたら、真面目に見つめてきた私はバカだ。
元カレにはブロックされた。
そこそこ好きだった人に裏切られた。
まだ傷が完全に癒えたわけじゃない。
「まだ、信じるの無理だよ」
「…そっか、うん。ゆっくりでいい」
寂しげな声だった。
少しだけ心が痛んだ。
だけど…事実そうだ。
少し目線を上げた。
彼の耳には4つピアスしてる。
耳朶に1つと、ヘリックスにフープタイプを2つ、アウターコンクを1つ。
「何個ピアス開いてるの」
「ん?右は4つ、左は6つかな」
立ち止まって、左耳を見せてきた。
耳朶に連続2つ、トラガス1つと、インダストリアルが1つだからピアス穴は2つ、スナッグが1つ。
私は両耳の耳朶にしか開けてないけど、軟骨ピアスにも興味があって調べたから名前は分かる。
結局怖くて開けなかったけど。
「ピアスばちばち嫌?」
「…別にそういうわけでは」
「茉桜のピアスも似合ってるよ」
ゴールドピンクのシンプルなフープピアス。



