「え、どうしたの?とりあえず、家上がりな」
「うん…」
リビングに誘導すると、服を脱ぎ始めて、下着だけになった。
「えっあっあの」
「茉桜、ダボい服とか持ってる?」
「メンズ服なんて買ったことないよ…あ、お父さんのでいい?体型あんま変わらないから着れると思う」
「うん、ありがと」
「身体冷えるから、シャワー浴びてて」
「うん、お風呂借りるね」
私は父の部屋がある3階に行って、グレーの無地の部屋着を持って、洗濯機の上に置いた。
あ、タオルも用意しなきゃ。
セットして、リビングへ。
さて、このびしょ濡れ服はどうしたもんか。
毛の生えた黄緑のダメージセーターと、ダボッとしたボトムス。
どちらとも手洗い表示だ。
オシャレ着洗いして、干すしかないな。
煌牙がシャワーから出たら洗うか。
ソファでウトウトしていると、
「シャワーすっきりした。色々用意してくれてたんだね、ありがとう」
「んあー」
「寝てた?」
「眠かった」
私はソファに座り直す。
「なんであんな大雨の中で傘もささずに走ってきたの」
「ごめん、2万円回収できなかった」
「…母親になんかされた?」
言いにくそうに口を開いた。
「…帰ったら、母親と知らない男がしてた。リビングで」
「え…?」
「その2人がいる近くに封筒置いてたから、取れなかった」
「…また何か言われた?」
「邪魔するな!本当にお前は空気読めないクズだな!ほんっと産まなきゃ良かった」
「は…?」
「って感じのこと言われて、どうしようもない気持ちになって、慌てて家から飛び出した」



