高校入学したら、軽そうな男の子と付き合うことになった。


驚いてるようだが、うちの父親は自営業でかなり稼いでいて、やたら小綺麗な一軒家に住んでいる。

鍵を開けてドアを開ける。

入ってくる様子のない煌牙の手を引っ張り、玄関へ。

靴を脱いだのを確認して、手首を掴んでキッチンへ向かった。


「おかえりなさい。遅かったわね、部活の体験でもしてきたの?」


お母さんは包丁で野菜を切るのをやめることなくそう話しかけてきた。


「お母さん!」

「え?ん、えとどなた…?」


顔を上げたお母さんは、目を丸くして煌牙を見つめていた。


「夜ご飯、食べさせてあげて!」

「…へ?」

「あ、彼氏の煌牙!と…とにかく、今煌牙の家寄ってたんだけど、家庭環境良くなくて!例えば…そう、昼ご飯、パンとおにぎりだけだったんだ。生活費とお小遣いセットで毎月10万だけ渡されてるみたいなんだけど…絶対体に良くない食事してるから!お願い!」

「ああ…」


なんとなくお母さんは煌牙の頭から足先まで見た。


「いやあの…俺何も聞かされず、手引っ張って連れてこられたんで、部屋着なんですけど…あの、その…初対面なのにすみません」

「食べられない物はある?」

「えっ…いや、特に好き嫌いはないですけど…」

「良かったら、夜ご飯だけでも、毎日食べに来ていいわよ」

「いや…食費…」

「旦那が稼いでくるから大丈夫!心配しないで!それに、3人分も4人分も、そんな変わらないわよ」

「ありがとうございます」