「ごめん、隠してて。離れたくなるよな」
「朝晩の食事は」
「え?」
「昼、おにぎりとパンだけだったじゃん。朝晩は?」
「…食費、お小遣いって、毎月10万貰ってるからそれでやりくり…してる」
「そう…なんだ」
「心配してくれてるの?それとも同情?」
彼は自虐的に笑った。
私はただ心配になった。
心の拠り所を、彼は求めている。
寂しくて、独りぼっちで、つらくて、自分を傷付けてきてしまったんだろう。
「着替えるから、別のとこ向いてて」
「あ、うん」
彼は私が占領していた枕の左側に顔をうずめた。
「茉桜の匂いがする」
柔らかな声でそう言った。
少しトゲトゲした心が丸みを帯びるように。
着替え終わって、
「終わった」
と声をかけた。
「ん」
煌牙は起き上がって、ベッドに座った。
「行くよ!」
「え?!」
私は彼の手を握り、右手で荷物を拾い上げて、ドアを開けた。
「この女狐!もう二度と来るんじゃないわよ!てか何よ!煌牙のこと…!」
そう、煌牙の母親に言われたが無視で玄関まで行った。
「ちょ…茉桜…?!」
戸惑ってるようだけど、靴を履いて私についてきた。
エレベーターで1階に行き、家まで走り抜けた。
一軒家の我が家に着き、門扉を開く。
「茉桜の家…?」



