「おいそこの女、とっとと帰れよ!」
怒りの矛先がこちらに向いた。
「茉桜にそんな乱暴な口調で物聞くな」
「知らねーよ、そもそもお前が」
「早く仕事行けよ!」
「さっさと帰らせろ!」
会話が成り立ってない。
私は、どうすればいいんだ。
頭が回らない。
普通に、煌牙の母親が怖い。
「ちっ」
母親は、強い香水の匂いを部屋に残して、バタンとドアを閉めた。
「ごめんね、変なとこ見せちゃって」
「いや…帰るよ」
「母親出て行ってからにしな。顔合わせるとめんどくさいと思う。最悪暴力とか」
こっわ。
「うちシングルマザーなんだ。17歳で俺妊娠して、そんで夜職で、ほぼネグレクト。いわゆる毒親だね」
昼の少ない食事、穴だらけの耳、あと今軽く腕まくってるから気付いたんだけど、軽いリスカ跡。
ピアスの穴を開けるのは自傷行為みたいなもんだからね、その言葉の意味が分かった気がする。
洗濯自分でしてるってのも…。



