始まるか…
と思いきや、
「腕枕、したい」
いつもより近い距離で、ドキドキしているのに、腕枕?
ドキドキがバレてしまう。
「頭上げて?」
言われるがまま頭を上げた。
腕枕をされて、そのまま抱き枕のように抱き締められた。
落ち着かない。
心臓の音が絶対バレてる。
「ねえなんで、俺のこと好きじゃないくせにドキドキしてんの?」
私は何も言えない。
「なんか言ってよ」
「なんも言わない」
好き、なんて言わない。
ストレートな愛情表現に、心奪われてるけど。
好き、は負けだ。
そんなことを思ってたら、寝息が聞こえてきた。
「え」
煌牙がすやすやと眠っている。
私は眠気なんて本当はない。
手を出させるように仕向けたのに。
傷付く前に別れられると思ったのに。
計画通りにはいかなかった。
18時くらいになって、
「んんっ…はぁ…」
と彼が起きる。
「おはよ、茉桜」
目を細めてニコリと笑いかけてくる。
そして、頭を撫でて額にキスを落とす。
また、優しく抱き締めてきた。
「はあ…幸せ。このままずっとこれがいい」
特に変なとこ触ろうともしない。
私が好きって言わなきゃ、やらないのか。
でも、好きは言いたくない。
それは…付き合っていたいってことなのだろうか。
別れたい、はずなのに。
好きなんだもん、でも伝えたら…。



