今ならまだ、戻れる。
ただ一目惚れした男の子。
眺めてるだけでいい存在に。
「冗談か本気か分からないんだけど…」
「本気」
「やだよ?別れないよ?顔以外も、好きになるかもしれないじゃん!」
「ならない」
「なりたくない、だと思うけど。茉桜の場合」
瞬時に見抜かれた。
「出会って1日、いい男だって信用する方がおかしい」
「それは分かってるよ。信頼関係築くのは、時間かかるよ。だから、時間欲しいって俺言ってるじゃん」
「私は好きにならない」
「だったら俺のこと見つめてほしくなかった。あんなん好きになるじゃん、可愛いじゃん」
「知らないよそんなの」
「だよね、ごめん」
暫し沈黙が流れた。
「放課後、デートしよっか」
「早く帰りたい」
「何か用あるの?」
「行く気ない」
「いっぱい一緒にいないと、信用とかできないでしょ。お願い」
「…どこ行くの?」
「どことかではなくて、散歩でもいいかなって」
「ふーん」
「どこか行きたい?」
「家帰りたい」
「じゃあうち来る?」
私はあからさまに嫌な顔をした。
手出す気満々じゃん。



