翌朝。
駅まで歩いていると、煌牙のマンションの近くを通る。
「茉桜!」
私に気付いた彼は、走ってこっちにやってきた。
「朝から会えて嬉しい!毎日一緒に行こ!」
「ああ…うん」
そう返すと、ぎゅっと抱き締めてきた。
「街中でそういうのやめてほしい」
そう言うと離れたけど、
「俺は好きだと思ったら好きって言うし、可愛いと思ったら可愛いって言うし、愛情表現したくなったらいつだってするよ?そんな男の方が良くない?安心しない?」
と言ってきた。
心開かせるための手段に過ぎない。
煌牙をどこか冷めた目で見てしまう。
彼女が3人いた、そんなん嘘だ。
手を出せたら終わり。
そんなのに真剣に向き合いたいと思う?
煌牙から目を逸らし、駅へ向かって歩き出した。
「茉桜…」
寂しそうに名前を呼んで、私の横について手を繋いできた。
「好きだよ、茉桜」
何度言われたって、響かないんだって。
無視でいい。
信じなくていい。
「茉桜にも、好きって言わせたいな」
「言わない」
「感情のこもってない好きはいらないよ」
「ずっと言わない」
「ムキにならないでよ…」
煌牙は困り顔だった。
私のこと、本当に好きなのかもしれない。
そう思わせてくる。



