空を知らない君に送る唄

⽗がいない間は、街の⼈たちが私の⾯倒を⾒てくれた。

優しい⼈もいれば少し怖い⼈もいたけれど、皆、私を守ろうとしてくれていた。

だけど、やっぱり家の空気は⽗が帰ってきて初めて満たされるような 気がした。

「澄華、お前もいつか、地上を⾃分の⽬で⾒てみろ」

⽗はそう⾔って、私の肩を軽く叩いた。

父がしてくれる地上の話は、絵本に出てくる架空の夢物語のようで、⼿の届かないもののように思えた。

でも、いつだって私の⼼にあるのは地上への強い興味だった。

地上はどこまで続いているんだろう?

太陽って、どんな形なんだろう?本当に温かいのかな?

綿菓⼦が空に浮かんでるって⾔ってたけど、⾷べられるのかな? ――私も、上進隊に⼊って外を⾒てみたい!

⽇を追うごとに強くなる気持ち。

いつしか私は、⽗の背中を追うように、上進隊に強い憧れを抱くようになった。