空を知らない君に送る唄


結っていた髪を解く。

さらり、と肩に落ちる銀⾊の髪。

そのまま、ベッドに倒れ込んだ。

「……はぁ……」

思わず、息が漏れる。

柔らかいマットレスが⾝体を受け⽌める。

天井を⾒上げる。

⽩い。

ひび割れもなく、綺麗な天井。

なのに。

脳裏にはあの空き地が浮かぶ。

凛と⾃分の圧倒的な差。

そして――あの⾔葉。

『⾃分を捨てすぎだ』

胸の奥が、じくりと痛んだ。

(……捨ててるつもりは……)

ない。

……いや、

そう⾔い切れない⾃分が確かにいた。

死んだら、それまで。

⽗もそうだった。

⽗は――

誰かを守るために、死んだ。

胸元に⼿をやる。

隊服の下に隠していた、ネックレス。

冷たい感触が、指先に伝わる。

「……お⽗さん……」

⼩さく、名前を呼ぶ。

声は震えなかった。

泣きたくはなかった。

泣いてしまったら、

今⽇の悔しさも恐怖も、全部流れてしまいそうだったから。