空を知らない君に送る唄


部屋は、簡素だった。

シングルベッドが⼀つ。

壁際に⼩さな机。

隅にはクローゼット。

余計な装飾はなく、⽣活に必要な最低限のものだけが、きちんと配置されている。

クローゼットを開けると、数種類の私服と、サイズ違いの隊服が並んでいた。

誰がどの部屋を使ってもいいように、という配慮なのだろう。

澄華は無⾔で、隊服のジャケットをハンガーにかける。

⾦属の擦れる⾳が、⼩さく響いた。

そのまま、並んだ服の中から、⼀番シンプルなトレーナーとスウェット

ズボンを選び、着替える。

装備を外す。

ホルスター。

錐⼑。

圧縮空気跳躍装置。

磁着砲。

⼀つひとつ、机の上に丁寧に置いていく。

脱いだ隊服を畳み、机の端に揃える。

――それで、ようやく。

すべて、終わった。

張り詰めていた⽷が、ぷつりと切れた気がした。