空を知らない君に送る唄


宿舎に戻ると、凛は⼀⾔も発さずに⼀階の奥へ消えていった。

その背中を⾒送ったあと、澄華と陽⽃は顔を⾒合わせ、⾃然と⼆階へ向かった。

階段を上る⾜⾳が、やけに⼤きく響く。

⼆階には、三つの扉が並んでいた。

どれも同じ造りだが、端の部屋だけが、僅かに⼩さい。


澄華は迷うことなく、そちらへ歩いていき、ドアノブに⼿をかけた。

「え、そこ!?」

後ろから、陽⽃の驚いた声。

「⼀番狭ぇよ!?いいのか!?」

振り返らずに、澄華は短く答える。

「うん。別に、部屋の⼤きさにこだわりないから。」

それだけ⾔って、ドアを開けた。