空を知らない君に送る唄

⼀直線に凛へ向かって⾛る――

……と⾒せかけて、次の瞬間には右⼿を腰へ伸ばし、 磁極砲を引き抜いていた。

(裏を⽋く――!)

凛の視線は確かに⾃分を捉えている。

だからこそ、狙いは――

凛の背後、数メートル先にそびえる太い⽊。

引き⾦に指をかけ、狙いを定めた、その刹那。

――ガンッ!!

⾦属が弾き⾶ばされる、鈍く乾いた衝撃。

「っ……!?」

反応する暇すらなかった。

⼿⾸に⾛った衝撃と同時に磁極砲が澄華の⼿から吹き⾶び、宙を舞う。

(速――っ!)

そう思った瞬間には、もう遅い。

視界の端に、⿊い影が滑り込む。

凛の脚だった。

「――⽢ぇな。」

次の瞬間、腹部に叩き込まれた蹴り。

内臓が⼀⻫に悲鳴を上げ、肺から空気が強制的に吐き出される。

「――っ、ぐ……!」

痛みで⾝体が硬直し、受け⾝を取る暇もないまま、視界が反転する。

(――⾶ばされる……!)

そう覚悟した、その瞬間。