意地っ張りな私たちが、神様に許された最後の100日間

「……あんたなんて、大嫌い。もう顔も見たくないんだけど」

放課後の教室。夕陽が差し込む窓際で、私は精一杯の虚勢を張った。
目の前に立つ蒼太は、少し驚いたように目を見開いたあと、困ったように眉を下げて笑う。

「またそれかよ。お前、それ今日で三回目だぞ?」

「しつこい。さっさと帰ってよ」

カバンをひったくるように掴んで、私は彼に背を向けた。
ひどい言葉を投げかけるたび、胸の奥がキリリと痛む。でも、これでいい。これでいいんだ。
私が彼を遠ざけるのには、理由がある。
昨日、病院で渡された診断書。そこに書かれた聞き慣れない病名は、私の日常がもうすぐ終わることを告げていた。

(……好きだよ、蒼太。本当は、ずっと側にいたい)

喉元まで出かかった言葉を、無理やり飲み込む。
もし私が死んでしまったら、蒼太はきっと泣く。あんなに優しい人だから、一生消えない傷を負ってしまうかもしれない。
それなら、今のうちに私のことを「最悪な女」だと思わせて、嫌われた方がマシだ。

「おい、陽茉梨」

後ろから名前を呼ばれて、肩がびくりと跳ねる。