寒さではない震えで、全身が揺れるのを感じた


唇を強くかみしめ、地面に向けていた目を右端に居た女に向けて睨みつけた


「お前ら、人の家の墓の周りで何してんだよ!!」


そう強く吐いた言葉と一緒に、息は白く冬が居る空へと舞い上がっていく


しかし、何の反応も返ってこない


なぜか、虚しさだけが俺の心に残る


「お前らー…」


もう一度、言葉を荒げて言おうとした瞬間……


「冬ー!!」


右端に居た女が、涙を流して俺の胸の中へと飛び込んできた