オーディション会場の控え室は、人でいっぱいだった。
鏡の前でダンスを確認している人。
小さく歌の練習をしている人。
みんな真剣な顔をしている。
(ちょっと男子の方が割合が多い…総合的に見ると男子の方が有利だもんね)
私は壁にもたれて小さくため息をついた。
「……帰りたい」
そのときだった。
「大丈夫?」
急に声をかけられる。
振り向くと、優しそうな雰囲気の男子が立っていた。
柔らかい笑顔で、どこか落ち着いた感じ。
「さっきからずっと壁のところにいるから」
「あ、別に大丈夫」
私は軽く答える。
(さっきの人もだけどこの人顔良っ!)
「ただ、思ってたより人多いなって」
男子は少し笑った。
「確かに。緊張するよね」
そう言いながら、隣に立つ。
「俺、朝倉陽斗。よろしく」
「……白雪姫乃」
名前を言うと、陽斗は私の顔をじっと見つめながら
「姫乃って名前なんだ。姫乃ちゃんめちゃくちゃ可愛ね」
「それはない」
私は即答する。
すると陽斗は少し不思議そうに笑った。
「自覚ないんだ」
「何が?」
「ううん、なんでもない」
そう言って、陽斗は控え室の方を見た。
「姫乃ちゃんって、アイドル志望?」
「違う」
私はすぐに答える。
「友達に勝手に応募された」
「え?」
陽斗は目を丸くした。
「そんな理由で来たの?」
「うん。でも」
私は少しだけステージの方を見る。
さっき見たパフォーマンスが頭に残っていた。
「どうせやるなら」
小さくつぶやく。
「勝ちに行くよ」
その言葉を聞いた陽斗は、少しだけ目を細めた。
そして笑う。
「そっか」
「じゃあ俺たち、ライバルだね」
「……そうなるね」
そのとき、スタッフの声が響いた。
「これから第二審査が始まります!みなさんホールの方は集まってください!」
会場の空気が一気に緊張する。
陽斗は私の方を見て言った。
「お互い頑張ろう」
優しい笑顔。
でもその目は、本気だった。
(この人……)
優しそうだけど、きっと強い。
私は少しだけ笑う。
「負けないけど」
陽斗は楽しそうに笑った。
「うん、望むところ」
こうして私は――
最初のライバルと出会った。
鏡の前でダンスを確認している人。
小さく歌の練習をしている人。
みんな真剣な顔をしている。
(ちょっと男子の方が割合が多い…総合的に見ると男子の方が有利だもんね)
私は壁にもたれて小さくため息をついた。
「……帰りたい」
そのときだった。
「大丈夫?」
急に声をかけられる。
振り向くと、優しそうな雰囲気の男子が立っていた。
柔らかい笑顔で、どこか落ち着いた感じ。
「さっきからずっと壁のところにいるから」
「あ、別に大丈夫」
私は軽く答える。
(さっきの人もだけどこの人顔良っ!)
「ただ、思ってたより人多いなって」
男子は少し笑った。
「確かに。緊張するよね」
そう言いながら、隣に立つ。
「俺、朝倉陽斗。よろしく」
「……白雪姫乃」
名前を言うと、陽斗は私の顔をじっと見つめながら
「姫乃って名前なんだ。姫乃ちゃんめちゃくちゃ可愛ね」
「それはない」
私は即答する。
すると陽斗は少し不思議そうに笑った。
「自覚ないんだ」
「何が?」
「ううん、なんでもない」
そう言って、陽斗は控え室の方を見た。
「姫乃ちゃんって、アイドル志望?」
「違う」
私はすぐに答える。
「友達に勝手に応募された」
「え?」
陽斗は目を丸くした。
「そんな理由で来たの?」
「うん。でも」
私は少しだけステージの方を見る。
さっき見たパフォーマンスが頭に残っていた。
「どうせやるなら」
小さくつぶやく。
「勝ちに行くよ」
その言葉を聞いた陽斗は、少しだけ目を細めた。
そして笑う。
「そっか」
「じゃあ俺たち、ライバルだね」
「……そうなるね」
そのとき、スタッフの声が響いた。
「これから第二審査が始まります!みなさんホールの方は集まってください!」
会場の空気が一気に緊張する。
陽斗は私の方を見て言った。
「お互い頑張ろう」
優しい笑顔。
でもその目は、本気だった。
(この人……)
優しそうだけど、きっと強い。
私は少しだけ笑う。
「負けないけど」
陽斗は楽しそうに笑った。
「うん、望むところ」
こうして私は――
最初のライバルと出会った。
