私死んでもいいわ。

「明日の月は綺麗ですか?」



そんなふうに問い掛ければ、隣で寝っ転がっていた彼が私のほうを振り向く。

そして怪訝そうな顔をした。



「いや、別に俺お前のこと殺そうとか思ってねえんだけど…」



彼の言葉に3秒ほど固まり、ああ、と返事を返す。

そういえば、『明日の月は綺麗でしょう』は、『あなたを殺します』なんて意味だったわね。

私が言いたかったのはそうじゃなくて…

ただ、明日になったら私のことを好きになってくれますか?という意味だったのだけれど…

しかしこれ以上言っても、彼に話は通じないだろうと話を切ることにした。



「月を見ていると、なんだか切ない気分になるの」



なんて、私には似合わないような乙女チックな言葉を空へと吐く。

そうすれば彼は、私の隣へとすり寄ってきた。

珍しい、そう口にしようとして動きを封じられた。

代わりとでも言うかのように、彼の口だけが動く。