忘れないまま恋をした

ぼんやりしていた。

「危ない」

直哉の手が触れる。

びくっと跳ねる。

違う。

颯斗じゃない。

わかっている。

でも、温かい。

その温度に、涙がにじむ。

「ごめん」

「なんで謝るんだよ」

本当に、わからなかった。

全部に謝りたい気分だった。