忘れないまま恋をした



「俺は、その人の代わりにはならないよ」

優しい声だった。

その瞬間、崩れた。

代わりにしていたのは、私だ。

仕草も。
言葉も。
安心も。

重ねて、重ねて、重ねて。

最低。

でも直哉は、否定しなかった。

怒らなかった。

ただ、線を引いた。

それが、救いだった。