忘れないまま恋をした



数日後、父は颯斗に会いに行った。

病室の空気は、張り詰めていた。

「柚を泣かせるな」

短い言葉。

颯斗はまっすぐ父を見た。

「泣かせません」

弱々しい体なのに、目だけは強かった。