でも、 颯斗はときどき 遠くを見るような顔をすることがあった。 何かを考えているみたいに、 少しだけ寂しそうな顔。 「柚」 「ん?」 「俺に引っ張られるな」 急に言う。 「なにそれ、どういう意味」 少しだけ黙ってから続けた。 「柚の人生だから」 その言葉が、胸に引っかかった。 でも、 深く考えないようにした。 まだ、 大丈夫だと思っていたから。