忘れないまま恋をした

佐藤颯斗は、物心ついた頃から隣にいた。

一人っ子だった私にとって、2歳年上の彼は世界そのものだった。

「ついてくんなって!」

小さい頃はよく追い返された。

それでも私は懲りずに後ろを歩いた。
転べば手を差し伸べてくれるって、どこかでわかっていたから。

いつからだろう。

「ほら、危ないからこっち歩け」

自然と隣に並ぶようになったのは。