忘れないまま恋をした

柚の涙がまた落ちる。

直哉は少しだけ照れた顔で言う。

「柚のせいにすんな」

その言い方が、

あまりにも

直哉らしくて、

柚は思わず笑った。

「……ずっと待ってたの、私の方かもしれない」

抱きしめる。

派手じゃない。

でも11年分の重さがある。