忘れないまま恋をした



墓地は静かだった。

春の風が少しだけ吹いている。

直哉は花を買って、

ゆっくり坂を上った。

名前を見つける。

佐藤颯斗

写真でしか知らない顔。

でも、

ずっと知っている気もする。

直哉は少しだけ息を吐いた。