忘れないまま恋をした

直哉は一人で電車に乗っていた。

柚には言っていない。

言わなくてもいい気がした。

窓の外を流れる景色を見ながら、

思い出すあの手紙。

何度も読んだ。

読むたびに、

胸の奥が少し重くなる。

でも、不思議と嫌じゃなかった。