気づいたら、 歯ブラシが二本になっていた。 朝、 「行ってきます」 「いってらっしゃい」 夜、 「ただいま」 「おかえり」 それだけ。 特別な言葉はない。 でも、 ちゃんと隣にいる。 颯斗は消えない。 それでも、 直哉も消えない。 私は、 両方抱えて生きている。 それが、 今の私の人生だった。