白空と蒼い瞳 〜メガネカチカチ王子さまは実は恋の罠でした〜

「え、あ⋯⋯さよならっ‼‼」


「え」


浜辺の手を借りずにビュンと校舎に向かう。


私は気まずさと、罪悪感と、早く学校に行かなくては、というもどかしさに負けて、その場を後にした。


ーーーーーー




――何でも完璧にできて、男子よりも凛々しくてかっこいい。それにつよい。そんな自分が嫌いだった。


50メートル走は男子より速い6秒だい。だけど、いつも一番早い男子にいきなり逆上されてなぐられてできたあざは、まだ治っていない。


勉強はいっつも1位で、両親から恥ずかしくなるほど褒められた。だけど、友達からは「なんかすごすぎて、ついていけない」と突き放された。


それはそれで私がわざと失敗したら、男子からは笑ってからかわれ、両親は私をぶった。


⋯⋯分からない。私、バカだから分からないよ。



―――いったい私は、どうしたらいいの?



⋯⋯なんて、悩んでいた時もあったなあ。今となってはあの時の完璧に戻りたいくらいだけど。


私が懐かしそうに目を細めると、それにこたえるようにぴよぴよと小鳥のさえずりが聞こえた。


おお、鳥に通じたあ⋯⋯私すっご。


「⋯⋯ねぇ、何そんな気持ち悪い顔してるの?」


私が振り返ると、親友の紗彩に引きつった顔でさらっとひどいことを言われた。


「ねぇ、どうしてそんな気持ち悪いかお⋯⋯」


「聞こえてるよぉ⋯⋯あのさ、もっとなぐさめるとか、ないわけ?」